#86
初めての採卵は、体外受精6個、顕微授精6個を行いました。うち受精できたのは、体外受精1個、顕微授精3個のみ。そしてすべて分割がすすまず、移植はできないことになりました。
「SOAP」とは看護師がカルテで使う書式の一つ
S)頑張ったんだよぉ・・・。
O)実家から来たお母さんと話す。涙あるも、話をする事で少しずつ落ち着く。
A)信頼できる人に、言葉に出し話すことで精神的に安定してきた様子。
P)一人で抱え込まず助けを求めることも大事、今後も継続。
S=主観(気持ち) O=客観(事実) A=アセスメント(解釈) P=計画
前回からの続きです。↓
分割確認の電話後一人ではどうにもならず、お母さんに助けを求めてしまいました。お母さんは、2時間かけて実家から来てくれました。
それまでの2時間、さすがに泣きっぱなしではありませんでした。人間の頭って、本当に受け入れられないことがあると、それを考えないようにする時があるんですかね。泣き疲れると、ソファーに座ってずーっとぼーっとしてました。何も考えられず、ただ座っていたと思います。そして、お母さんが来るのか・・・部屋昨日掃除してよかったとか、無意味なことを思ってみたりとか(+o+)。で、思いだすとまた泣いてみたりとか。よく分かりません。
ピンポーンと、インターホンが鳴りお母さんが画面に出ました。
ああ・・・本当に来てくれたんだなと思いました。
玄関でお母さんを迎えると、泣きはらした顔で何をまず喋ったらいいのか分からず、とりあえず「ありがとう・・・。」と言ったと思います。
2人で話をしました
その後は、鼻水をかみながら、泣きながらどう喋ったかよく分かりませんが、色々と聞かれたことに答えました。話しているうちに、今まで自分がどんなに頑張ったか、辛かったかをどうにか伝えたくて色々見せてしまいました。
体外受精のスケジュールとか、自己注射をどれだけしたかとか、お腹が張ったりしたこととか。
「こんなに頑張ったんだよぉ・・・。」
と、泣きながら。
小学生の子供がお母さんに訴えている感じだったと思います。
もう、かなりいい大人なんですけどね。
お母さんは、うん、うん。と一通り聞いてくれました。
「頑張ったんだねえ。」
「受精はしたんでしょ?それは分かったじゃない。」
「まだ仕事辞めて半年くらいだし、体が戻ってないんだよ。」と。
そして私の膝に手を置いて繰り返し、
「大丈夫。」
「そんな心配しなくていいよ、大丈夫。」
と言ってくれました。
実際、仕事辞めた云々はもう関係ないと思ったし、何がどう大丈夫なのかよく分からなかったんですが、なんだかその時は、その言葉がすごく心地よくて、「うん、うん。」と、答えていました。
そして、お母さんはふと思い出したように、
「子供は産むのも育てるのも大変なんだよねぇ・・・。」
と、言いました。
私は、え、今何を言うんだろうと思ったのですが、その後に、
「あなたは、その大変さが今もう分かっているなんて、とてもすごいことだよ。」
と、言ってくれました。
なんだか、その言葉はすごく心に響いて、残りました。
その後も話をしていたら、私自身が少しずつ落ち着いてきました。笑顔が見せられるようになったし、なんだか重たいものがとれてきたというか(*^_^*)
お母さんは、いつの間にか来るときにパンを買ってきてくれていたようで、私が落ち着いたところで紅茶を入れて2人で食べました。実際そんな空腹感は無かったのですが、食べられました。そしてその後、外を少し歩き、カフェに入りまた少し話して、夕方お母さんは帰りました。
その後1人家に帰りましたが、泣くことはありませんでした。
今後、どうしたいのか、少し考えました。
考えられるようになりました。