#66
今まできちんと言えていませんでしたが、体外受精を視野に入れた今、母親に不妊治療のことを話す必要があると思いました。今回、言うことができました。
「SOAP」とは看護師がカルテで使う書式の一つ
S)お母さんに話したいな。
O)不妊治療を電話で母親に言う。緊張感。すべて話すことができる。母親の言葉に涙を我慢。
A)緊張感あったが、すべて話しができたことでうれしさと安堵感あり。
P)今後も母親に相談していく。
S=主観(気持ち) O=客観(事実) A=アセスメント(解釈) P=計画
#21では、カミングアウトできていないことを書かせていただきました。
今まで母親には、そろそろ子供が欲しいから婦人科には通院しているということだけ話してきました。不妊治療という言葉は使っていません。その言葉で説明する必要性が来る前にできると思ったし、母親が「不妊治療」をどのように受け取るかが不安でした。
今回、このタイミングで母親に話すこととなったのは、体外受精という身体的にも経済的にも大きな負担となることをやろうとしているので、話さなければという気持ちがあったから。
そしてもう一つ、私の中で気持ちの変化がありました。
「話さなければ」と同時に、「話したい」という気持ちが大きくなってきたんです。
なぜ話したいと思うようになったのかは分かりません。隠す必要はないと思えたのか、ただ話ができる人が欲しかったのか、分かってほしかったのか。ただ、母親に久々に甘えたかったのか。
でも、その気持ちのままに、話しました。
お母さんへ電話
いきなり電話は驚くと思ったし、外出先で大きな声で話す内容ではないので、母親にはメールで「相談したいことがあるから、時間ができたら電話して」と伝えました。
私の母親は働いていました(看護師ではないです)が、現在は退職しています。退職後も趣味に興じて楽しそうにしていますが、以前よりは時間があるので、メールをすると数分で電話がかかってきました。「どうしたのー、元気―?」と、最初は他愛のない話を少しし、その後、「何か相談って言っていたけど?」と言われたので、話を切り出しました。
「そお・・・、前にさ、そろそろ子供欲しくて婦人科に通ってるって言ったじゃん。実はもう、結構長く通っててさ、不妊治療してるんだ。」
すると母親はやや深刻そうな声になり、
「ふーん、そお。具体的にはどうゆうことしてるの?」
と。いきなり聞かれたので、逆に聞いてみました。
「お母さんは不妊治療についてどの位知ってるの?」
すると母親は、
「うーん、色々種類あるよね、人工的に?授精させるとか?」
という感じだったので、一通り説明しました。
不妊治療の流れ。
タイミング法のこと。
仕事をしながら通院をしていたこと。
わたしにも旦那にも大きな原因が無いこと。
転院してから人工授精を行っていること。
人工授精と体外受精の違い。
仕事を辞めたのは不妊治療のためということ。
母親は「うん、うん。」と相槌を入れながら時折聞き返し、メモをとっているような感じでした。一通り説明すると、
「うーん、そっかぁ。」
と一言。そして、
「大変だったんだね。」
と、言ってくれました。私はこの瞬間、子供の頃のようにお母さんに抱きついて泣きたい衝動に駆られましたが、泣くのはぐっとこらえました。でもなんだか、全てを分かってもらえた気がしてすごくうれしかったんです。
お母さんにとっての不妊治療
そして、聞いてみたかったことを聞いてみました。
「お母さんは、不妊治療をどう思う?抵抗感ある?」
母親は、普通のトーンで言いました。
「お母さんのお友達の一人に、だいぶ高齢出産の人がいて、その人は体外受精だったって聞いているよ。あと最近できたお友達の一人は、孫が体外受精で生まれたって。その人の娘さんは体外受精を4、5回やったって。すごくかわいい女の子が生まれたって喜んでいたよ。だから、抵抗感なんて全然ないよ。」
「あなたと旦那さんで話し合って、納得してやってみればいいよ。ただ、体だけが心配だけどね。」
私は涙を我慢するのが大変でした。我慢しましたけど、声が震えていたかもしれません。母は、不妊治療がどうこうというよりも、ただ、それで私の体や心が壊れてしまわないかということを心配してくれていました。母親って、そうゆうものなんですね。
長々と電話をして、話したかったことは話して、聞きたかったことは聞くことができました。するとその後お母さんがいきなり、
「もうこの話はいい?全然違う話なんだけどこの前さあ・・・。」
と、全然違う話題を振ってきました。笑
この話ばかりだといけないからと私の気持ちを察してのことか、母の気まぐれかは分かりませんが、いきなり話が切り替わり、普通に世間話も長々して電話を終えました。
なんだか、ほっとしました。