#54
#53で、日本で不妊治療の高年齢化が進行していることに触れました。海外では不妊治療に対しどんな取り組みがあるんでしょう。1つの例は、愛と自由と平等を謳う国(笑)「フランス」です。
「SOAP」とは看護師がカルテで使う書式の一つ
S)ほぉー、驚き。
O)フランスの不妊治療について調べる。違いに驚き。
A)国によって様々な考え方や取り組みがあることを知ることができる。
P)今後も情報収集継続。
S=主観(気持ち) O=客観(事実) A=アセスメント(解釈) P=計画
フランスの合計特殊出生率は1995年頃を境に上昇に転じています。
(以下のデータは、内閣府:平成18年版 少子化社会白書より引用)
1960年 2.73
↓
↓ 徐々に低下
↓
1995年 1.70 ←ここから上昇傾向
2000年 1.88
2004年 1.90
ちなみに「2015年 2.00」であり、近年は横ばい傾向。これは、少子化対策として、国をあげた様々な政策の成果と言われていますが、その一環に不妊治療対策があります。調べてみた結果、私は以下の二つの対策が重要で、日本と大きく異なる部分だと思います。
1.性をタブーとしない性教育
フランスでは、性行為は愛情表現の一環としてとらえ、幼い頃から両親が子供に「愛とは何か」を教える。そして学校教育の中では性教育とともに不妊治療についても触れる。夫婦は、子供の前でもキスやハグをすることが当たり前、コンドームが自動販売機で買えるなど、「性の話をすることがタブーではない」環境がある。
2.不妊と疾病とする考え
不妊は、フランスでは疾病とみなされているため、治療が必要な人は、医師の診察によって保険が適用される。生殖補助については、人工授精が6回まで、体外受精が4回までならばほぼ100%カバー。(その後は自己負担)そして年齢制限は厳格に定められていて、女性の43才の誕生日前日までしか治療を行うことができない。
ほぉー、違いに驚き(゜_゜)
日本もこうすれば良いじゃんとは言えません。
フランスは、古くから未婚者や同性カップルにも夫婦に準じた権利を与えている国であり、未婚のカップルの子供も多いです。「愛と自由と平等」を謳うフランスとは、文化や根本的な考え方が違います。
でもこう考えると、「性の話をすることがタブー」という傾向がとても強い日本では、不妊治療の認知が広がりにくいのは納得。
そしてもう一つ、不妊を「疾病」と考えていることで、認知が広がり社会的支援の拡充につながっている点は驚きです。#16で私は、「不妊は病気ではない」という考えを主張しましたが、違うのかも。(ころころ考えが変わってしまう私。笑)
逆に、「病気・疾病」ととらえることで、保険の適用が一般化し、早く病院に行くことにつながっていくんですかね。
世界中で重要視されている「不妊」。
きっとその国に合った政策や援助が求められてくると思いますが、まず知ること、そして日本も真似できることは真似していけるといいなあと思います。